コラム

冬や春先に多いバッテリー上がり 対処法と予防法6点を紹介

車・バイクバッテリー

多くのバイクライダーが一度は経験したであろうトラブルの「バッテリー上がり」。
バイクや車のエンジンがかからなくなる、代表的なトラブルの1つです。

バッテリー上がりは突然起きるものですが、対策や予防をすることができます。

今回は、冬や春先などの今時期に多いトラブル「バッテリー上がり」とは何か、その対策方法を紹介します。

今回の記事は、このような方におすすめです。

バイクを動かそうとしたが、エンジンがかからない方

バッテリー上がりとは

バッテリー上がりとは
「バイクのバッテリーが空になり、バイクのエンジンをかけられなくなったこと」
を言います。

ほとんどのバイクや車はバッテリーを搭載していて、エンジンを動かす時にバッテリーの電気を使います。

バイクに乗っている時は、エンジンを動かしながらバッテリーを充電しているので、大きな問題にはなりません。

しかし長い間バイクを動かさないでいると、バッテリーが少しずつ減っていきます。
(これを「放電」といいます)

バッテリーが無くなった状態でエンジンをかけようとすると、エンジンを動かす電気が足りず、エンジンをかけらなくなります。
これが「バッテリーが上がった」状態です。

バッテリーが上がった状態でエンジンをかけようとしても「ガガガガ‥‥」と音がするだけでエンジンはかかりません。

エンジンが突然かからなくなる理由は様々あります。
しかし、その中でも一番起きやすいトラブルが「バッテリー上がり」。
バッテリー上がりはどんなバイクでも起きます。

久しぶりにバイクに乗ろうとしてエンジンがかからない時は、まず「バッテリー上がり」を疑いましょう。

バッテリー上がりはそのままにしたら直る?

バッテリー上がりは、そのまま放置しても直りません。
バッテリーが上がった状態でエンジンをかけようとしても、むしろどんどんバッテリーにダメージを与えていくだけです。

バッテリーが上がってしまったら、すぐに対策が必要です。

なぜ冬や春先はバッテリー上がりが多い?

バッテリー上がりは「冬や春に起きやすい」と言われています。
その理由は2つ。

寒い時期はバッテリーが弱りやすい

寒い場所や時期はバッテリーが弱っています。

スキーやスノーボードをやっている方は「スキー場ではスマホの電池が無くなりやすい」という経験はありませんか?

これと同じことがバイクのバッテリーでも起きています。

雪国でスマートフォンバッテリーは寒さに弱いものです

 

「寒いとバッテリーは弱る」ということを覚えておきましょう。

久しぶりにバイクを動かす人が多い

長期間バッテリーを放置していると、少しずつバッテリー残量が減っていきます。

寒かったり雪が降ったりしてバイクに乗らなかったライダーが、春先に
「冬はバイクに乗らなかったけど、少し暖かくなってきたからバイクに乗ってみよう」
とエンジンをかけようとするも、エンジンがかからず‥‥

バイクに乗るライダーが増えるので、バッテリー上がりの件数も多くなります。

頻繁に動かしているバイクでも、バッテリー上がりが起きる可能性はあります。
長い間使い続けて寿命が近いバッテリーは、容量が少なくなってバッテリー上がりが起きやすくなります。
ツーリングの出先などでバッテリーが上がってしまう場合もあるので、寿命が近いバッテリーは早めに交換しましょう。

バッテリーが上がりやすいバイクとは

理論上は、どんなバイクでもバッテリー上がりが起きる可能性はあります。
しかし、バッテリー上がりが起きやすいバイクがあるのも事実。

これらのようなバイクは、他のバイクと比べてバッテリー上がりが起きやすいので注意が必要です。

オフロードバイク
スーパースポーツバイク

これらのバイクは、軽さや走行性能を優先しています。
そのため、軽く小さい・最低限の大きさのバッテリーが使われている場合が多いのです。

 

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バッテリーの容量も小さくなるため、バッテリー上がりが起きやすくなります。

バッテリーが上がったら?

バッテリーが上がってしまったら、そのままではエンジンを掛けられません。
ここでは、バッテリーが上がった状態からエンジンをかける方法を紹介します。

ジャンプスタート

すぐバイクに乗りたい時は「ジャンプスタート」でエンジンをかけます。

ジャンプスタートとは、他のバッテリーの力を借りてエンジンをかける方法。
とりあえずエンジンをかけられるので、ツーリング先のバッテリー上がり時などで便利です。

ジャンプスタートジャンプスタートでエンジンをかけられます

 

他の車やバイクのバッテリーを使ってジャンプスタートする方法が有名ですが、最近ではジャンプスタートできるモバイルバッテリーも登場しています。

Arteck ジャンプスターター 12V車用エンジンスターター 8000mAh
Arteck

スマホ用のモバイルバッテリーと兼用できるので、1つ持っておくと安心です。

ジャンプスタートでエンジンをかけたすぐ後は、バッテリーはほぼ空の状態。
バイクに乗ったりエンジンをかけっ放しにして、バッテリーを充電しましょう。
おおよそ1時間くらい走れば十分です。

バッテリー充電

すぐにバイクを動かさなくてもいい時は、バイクからバッテリーを外してバッテリーを充電しましょう。
上がってしまったバッテリーはほぼ空なので、充電するのが一番です。

バッテリー充電バッテリーを外さなくても充電できますが、外して充電した方が便利

 

バイク用のバッテリー充電器はAmazonなどでも売っています。

自動車にも使えるものが多いので、1つ持っておくと安心です。

押しがけ

キャブレター車では「押しがけ」という技を使ってエンジンをかけることもできます。

押しがけは道具なしでもできるので、緊急時に便利です。
その手順はこの通り。

  1. エンジンを切る。
  2. キーをONに入れる。(エンジンはかけません)
  3. 変速を1速or2速に入れる。
  4. クラッチを握り、バイクを押しながら走り出す。
  5. 勢いがついたらバイクに飛び乗り、同時にクラッチを離す。
  6. エンジンがかかる。

バイクを押してエンジンをかけるので「押しがけ」と言います。

手順は簡単ですが、走る勢いやクラッチを離すタイミングがシビアでコツが必要です。
特に大型バイクになると、熟練者でも一発でエンジンをかけるのは至難の業。
慣れていない方や不安な方は、広い安全な場所で練習しておくことをおすすめします。

FI車でも押しがけはできますが、FI車で押しがけするとバイクが故障することがあります。
10万円以上の修理代・部品代がかかることもあるため、慣れている方以外にはおすすめしません。

バッテリー上がりを予防するには

バッテリー上がりは予防できます。
バッテリー上がりを予防する方法を紹介します。

1ヶ月に1回はバイクに乗る

バイクに乗るとバッテリーを充電できます。
1〜2ヶ月に1回はバイクに乗っておくと、バッテリー上がりを予防することができます。

5分くらいでは十分に充電できません。
30分以上、1時間くらいはバイクに乗りたいところです。

定期的にバッテリーを交換する

スマホのバッテリーと同じように、バイクのバッテリーも寿命があり、少しずつ弱ってきます。
バイクのバッテリーの寿命は2〜3年、長くても4年ほど。

気温変化が大きい地域に住んでいたり、品質が悪いバッテリーだと1年程度で寿命を迎えることもあります。

バッテリーの寿命の時期が近づいてきたら、バッテリーを新品に交換しましょう。

バイクの修理バッテリー交換は、簡単なバイクのメンテナンスです

 

寿命が近いバッテリーを使い続けると、ツーリング先でバッテリーが上がってしまってエンジンがかからなくなることも。
寿命が来る前に、たとえバッテリー上がりが起こっていなくても、定期的にバッテリー交換をしておくのが安全です。

バッテリー交換はバイク用品店や販売店でもできますが、自分でも簡単に交換できます。
DIYが好きなライダーは自分でやってみるのも楽しく、おすすめです。

バッテリーの寿命を見分けるポイント

バッテリーの状態を見極めるのは困難です。
特に、目で見るだけ(目視)でバッテリーの寿命を判断するのはほぼ不可能。

使っている期間で判断するのが一番簡単です。

ガソリンスタンドなどで「バッテリーが弱ってきているので交換した方が良いですよ」などと言われる時がありますが、聞いてはいけません。
バッテリーの寿命を判断するには、テスターなどの専門工具が必要。
そんなにすぐ判断できるものではありません。

バッテリーの配線を外しておく

雪国に住んでいるなど、長期間バイクに乗れないような場合にはバッテリーの配線を外しておくこともおすすめです。

配線を外しておくと放電を防げるので、バッテリー上がりを防ぐことができます。

まとめ

今回のまとめはこの通り。

バッテリー上がりとは、バイクのバッテリーが空になってエンジンがかからなくなること。
冬はバッテリー上がりが起きやすい。
バッテリーが上がったら、ジャンプスタートかバッテリー充電。
定期的にバイクのエンジンをかけることで、バッテリー上がりを予防できる。

バッテリー上がりは予防できるトラブル。
バイクに乗ったり、バッテリーを定期的に交換することでバッテリー上がりを防ぐことができます。

特にバイクに乗ることは、他の故障も予防できる一番簡単なメンテナンスと言えます。

これから暖かくなっていく季節。
たくさんバイクに乗って楽しみましょう!

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ABu
BIME MAGAZINE編集者。経験に裏付けられた確かな知識を分かりやすく伝える事を心がけている。