コラム

夏目前!バイクの熱中症対策

Top image of heatstroke prevention 2019

6月に入り、気温が高くなってきました。
そして7月、8月へ‥‥

今年もうだるような暑さの季節がやってきます。
そう、夏です。

夏は緑が映え、空が澄み渡る季節。
夏のツーリングで味わえる景色や開放感は、夏ならではのものです。

しかし、夏は同時にバイクライダーにとってつらい季節。
ただでさえ気温が高いだけでなく、バイクライドは熱くて巨大な鉄の塊を抱えて走ります。
何もしなくても暑くて嫌になってしまうのに、熱源と共に旅をするのですから、気をつけないと熱中症まっしぐら

今回は、バイクの熱中症対策について考えてみます。

ウェアで対策する

真夏に秋冬用ウェアを着ていると、当然暑くなります。
さすがにそんな方はいないと思いますが、ウェアは簡単にできる熱中症対策。
涼しくツーリングできるバイクウェアを考えてみましょう。

一般的な「涼しい服装」は、バイクにはあまり通用しません

バイクは生身の身体で走る乗り物なので、プロテクターは必須
転倒時の擦り傷やエンジンの熱から身体を守るため、長袖長ズボンも着たいところです。

そこで私がオススメするのが、スポーツ向けの機能性インナーをバイクウェアの下に着ること。
バイク用のプロテクターがついたウェアや、プロテクターの下に機能性インナーを着ると、快適性と安全性を両立できます。

安全性は、プロテクターが保証してくれます。
ここでは、機能性インナーの快適性について説明していきましょう。

機能性インナーって?

機能性インナーとは、吸水性・速乾性・保温性・発熱性などが優れた下着のこと。
ユニクロのエアリズムなどが有名です。
最近ではMizunoなどのスポーツメーカーや、グンゼといった下着メーカーも機能性インナーを販売し、各社がしのぎを削っています。

機能性インナーは、汗をすぐ吸い取ってくれるだけでなく、汗が乾くスピードも非常に早いです。
そのため、服がビショビショになってしまうことはまずありません。
さらに、気化熱で涼しさを感じられることもメリット。

スポーツ系の機能性インナーは、タイトめな素材・寸法で作られているものが多くなっています。
着る時は少々窮屈なのですが、身体とインナーが密着しているので、汗をすぐ吸い取ってくれます。
服がベタついたりということもありません。

機能性インナーを着ることで涼しく感じるだけでなく、不快な汗ダレや服の張り付きを感じることなく快適なツーリングを楽しめます。

私も夏場のツーリングでは機能性インナーを着ていますが、もう手放せません。
多少暑くても走行風で涼しく感じられます。
汗をかいた場合でも機能性インナーがすぐ吸汗・蒸発してくれるため、服が濡れることもありません。

普段は機能性インナーを着ていない人でも、この夏はとりあえず1枚買ってみたらどうでしょうか。
湿気があって、蒸し暑い日本の夏。
最近は気温がさらに高くなり、より厳しさを増しています。
機能性インナーは、そんな日本の夏ツーリングに必須の装備だと思います。

もちろん体力をつけ、休養をとることも大事

どれだけ対策をとっていても、前日全く寝ないままツーリングに行ったりするのは厳禁。
特に夏場でそんなことをするのは、もはや危険です。
例えどんなに楽しみなツーリングが控えてたとしても、前日はしっかり寝て英気を養いましょう。

コースや時間帯を考えよう

気温は1〜2時ごろが最も高くなります。
真昼間は都市部や日の当たる平野での走行を避けて、山道など涼しい場所を走るようにするのも1つの手。
コースを考えて、避けられる場所・時間帯は避けてもいいかもしれません。

日焼け対策は意外に重要

男性であればあまり気にしないかもしれませんが、日焼け対策はかなり重要。
日焼けをすると後々痛いだけでなく、日に焼けること自体が体力を奪っていきます

また、日焼けは身体に悪いことがすでに証明されています。

一時に大量の紫外線を浴びれば日焼け(サンバーン)を起こしてしまいます。
また、少量でも長年にわたって浴び続ければ慢性障害として光老化が起こります。
これは色素斑(シミ)、しわ、皮膚の良性・悪性の腫瘍として歳をとってから現れてきます。
最近は更に紫外線が皮膚の免疫反応を抑えてしまうことも分かって来ました。

日本皮膚科学会ホームページより引用

このように、日焼けが身体に害を与えるということは、学会が公式に認めている事実です。
日焼けはもはや、百害あって一利なしです。

黒く焼けた肌がもてはやされていたのは、すでに過去の時代。
男女問わず、過度な日焼けは避けるべきです。

目の紫外線対策はしてますか?

実は、目も日焼けします。

肌と同じように、目に紫外線が入った場合も目はダメージを受けています。
例えば、角膜に紫外線があたると、角膜が炎症を起こし、強い目の痛み、充血といった症状が出ることがあります。
これを電気性眼炎(雪目)といいます。
さらに、ダメージを受け続ければそれは蓄積され、目の細胞を破壊してしまいます。
これが、白内障などの病気につながることがあります。

逓信病院ホームページより引用

このように、紫外線が目にダメージを与えるのは、病院が公式に認めている事実です。
日焼けが進むと白内障になり、手術するハメになるかも‥‥

サングラスをかけたり、バイザーつきのヘルメットをかぶることで、目からの日焼けを防ぐことができます。
余分な紫外線をカットすることで、視認性もアップ。
安全運転にも繋がります。

目は一生もの。
変えが効かないので、大事にしたいものです。

水分補給が最大最強の熱中症対策です

結局は、水分補給が最も大切です。
熱中症は、汗をかきすぎることで起きる症状。
汗で流れて行く分の水分を摂取しましょう。

しかし、汗がどのくらい流れたかなんて、よく分かりません。
時間を決めて休憩をとったりするなど、自分の感覚以外で判断するようにしましょう。

ちなみに私は走行距離で判断しています。
50kmごとの水分補給。暑かったらもう少し短い距離で水分補給などなど‥‥
とにかく、人間の感覚はアテになりません
喉が渇いていなくても、定期的な水分補給を忘れずに。

水だけを飲んでいませんか?

水分補給と共に、塩分も補給することが大事です。

水だけを飲み続けると、体液の濃度を一定に保とうとする身体の働きによって、過剰な水を尿として身体の外へ出してしまいます。
そのため、身体の水分の量が十分に回復できない現象(自発的脱水)が起こるのです。
同時に、体液の濃度をこれ以上薄まらないようにするために、脱水から回復していないのにのどの渇きがおさまり、水分不足を自覚できなくなる危険もあります。

大塚製薬ホームページより引用

このように、水だけを飲むのは危険です。
水分不足を自覚できずにいつの間にか熱中症、そして意識がもうろうになって交通事故なんてことも‥‥
塩分やミネラルなど、汗と一緒に失われる成分も補給するのが大事なのです。

「オレはしょっぱいものが好きでたくさん食べているから、塩分補給なんていらないぜ!!」
なんて思っている方、いませんか?
実は私もそうでした。

しかし、人間がたくわえられる塩分なんて、微々たるもの。
ちょっと汗をかいてしまえば、一瞬でたくわえていた塩分を使い果たしてしまいます。
なので、汗をかいたらすぐに塩分補給をすることが大事

水だけではなく、他の成分も一緒にとる。
正しい水分補給が欠かせません。

まとめ

夏。
バイク乗りには辛い季節が始まります。
屋内でじっとしているだけでも体調が悪くなってしまう人がいるくらいなのに、直射日光の下を走ります。

しかし、夏の景色は夏ならでは。
山々は茂り、空や海は青く輝きます。
夏でしか味わえない感動があります。

正しい熱中症対策を施し、長く、安全にバイクを楽しみたいものです。

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ABu
BIME MAGAZINE編集者。経験に裏付けられた確かな知識を分かりやすく伝える事を心がけている。