コラム

バイクの排気量と免許の関係のまとめ

ライダー図鑑

バイクに興味を持って調べていくと出てくる言葉、それは「排気量」。
しかし、

「排気量ってそもそも何?」

「排気量で排気量で乗れるバイクが変わってくるというけど、どの免許でどの排気量のバイクに乗れるの?」

「電動バイクの排気量はどうなっているの?」

といった疑問を持つ人は多いかと思います。
この記事では、バイクの排気量とは何か、どんな種類があってどんな特徴があるか、そんな事を語っていきます。

排気量とは何か

ざっくり言ってしまうと「エンジンの大きさ」です。
エンジンはガソリンと空気を混ぜて爆発させ、その爆発力を進む力に変換しています。
そして、その爆発している部分の体積を排気量と呼んでいます。

排気量が大きくなるほど大きい爆発を起こす事ができるため、その分バイクも大きな力を出せ、スピードも出せます。

エンジンの用語なので、そもそもエンジンが無い電気自動車や電動バイクに排気量はありません。
しかし、電動バイクには「定格出力」というものがあり、これが排気量にあたります。

バイクの排気量の基礎知識

バイクは排気量が大きくなると「力強く」「速く」なっていきます。
しかし、大きな爆発に耐えられる頑丈なエンジンを作る必要があるため、その分バイク自体も大きく・重くなってしまいます。

大きく重いバイクはバイクを押して動かす時に疲れるだけでなく、バランスを崩して転倒させてしまう可能性も。
運転時にも俊敏な操作がしにくくなり、体力も求められます。

初心者の方や非力な方はあまり大きくない排気量を選択するのが良いでしょう。

バイクの排気量の分類

バイクの免許は大雑把に分けると以下のようになります。

それぞれの排気量の特徴について説明していきます。

50cc

原動機付自転車、通称原付と呼ばれます。
自動車免許で乗れてバイクも安いため、町中で一番多く見る事ができるバイクでしょう。

値段が安い

ほとんどのバイクは新品でも20万円程度で購入する事ができます。
安いバイクでは、10万円以下で購入できるものも。
なんと、電動アシスト自転車より安く買えます。

スクーター等の日常の移動手段として使用される種類のバイクが多いですが、カスタム用途でも楽しめるようなバイクもあります。
パーツも安いため、費用をあまりかけずにプラモデル感覚でカスタムを楽しむ事ができます。

小回りが効く

車体が小さいバイクが多く小回りも効くため、小さな路地でも簡単に曲がる事ができます。
狭い路地裏でも運転が苦になる事はありません。

免許の取得が楽

50ccの免許原付免許と呼ばれ、筆記試験のみ・1日で免許を取得する事ができます。
そして16歳以上であれば取得可能です。
高校生の通学用途としても、この原付が使われています。

自動車免許だけで乗る事ができる

原付免許がなくても、自動車免許があれば乗ることができます。

保険料が安い

ポケバイ特約と言われる任意保険を使用する事ができます。
ポケバイ特約とは、自分自身もしくは家族が自動車・バイクの任意保険に契約していれば加入できるバイク保険。
年間2000円程度で任意保険に加入する事ができます。

制限速度が遅い

制限速度が30km/hであることが欠点です。
大きな道路で自動車は40km/h以上で走っている事が多いため、自動車の流れに乗ろうとすると速度超過違反となってしまいます。

二段階右折が必要

大きな道路で交差点を右折する場合は、特別な場合を除いて二段階右折という方法で曲がらないと違反となってしまいます。

二段階右折とは、交差点をまっすぐ通過してから直角に交差点を曲がる方法です。
原付は、この方法で曲がらないと道路交通法違反となってしまいます。

50ccのまとめ

「免許も取得しやすく、日常の移動用途に最適のバイク。」

125cc

小型自動二輪車、または原付二種と呼ばれます。
海外、特に東南アジアの日常移動用途では、このクラスのバイクが最もよく見られます。
“原付”二種と、原付の名がついていますが、50㏄クラスのバイクとは別物。
スクーターが多いですが、最近はスポーツタイプのラインナップも増えています。

制限速度が速い

一般道での制限速度が車と同じです。
車の流れに乗っていても、速度超過違反となる事はあまりありません。
30km/h速度制限を気にすることなくツーリングできます。

二段階右折が不要

面倒な二段階右折が不要です。

小回りが効く

バイクの大きさは、原付と殆ど変わりません。
バイクが小さいため小回りが効き、女性や力のない方でも簡単に扱えます。

ポケバイ特約が適用できる

原付二種でもポケバイ特約が適用できます。
50㏄バイクの良い点はそのままに、日常用途からちょっとしたツーリングまで対応できるバイクです。

免許の取得にやや時間がかかる

自動車免許や原付免許では乗る事ができず、小型限定普通二輪免許、または普通自動二輪車免許が必要となります。
しかし、小型限定普通二輪免許は最低2日で取得できます。
時間に余裕があってすぐバイクを楽しみたい方には手軽でお勧めできる排気量です。

高速道路や自動車専用道路が走れない

高速道路や自動車専用道路を走る事ができません。
「高速道路で一気に遠くまでツーリング!」といった事ができないため、移動範囲がやや限られてしまいます。

125ccのまとめ

「日常用途から軽いツーリングまで対応。汎用性の高いバイク。」

250cc

通称「ニーハン」と呼ばれるクラスです。250の2で「ニー」、50は100の半分なので「ハン」でニーハンです。
日常生活の足の面ではなく、趣味の面が強くなってきます。
スクーター等の数は少なくなり、大多数がスポーツタイプのバイクとなります。

高速道路を走れる

高速道路や自動車専用道路を走る事が出来ます。
ちょっと遠くまで来てしまった時や早く帰りたい時に高速道路に乗れる事は、非常に大きなメリットになります。

車検がいらない

250cc以下のバイクは、車検が不要です。
そして、高速道路を走れて、車検がいらないバイクは250ccのみです。
車検代がかからないため、バイクの維持費を抑えながらもスポーティな走りを体感できます。
車検の費用をカスタムやチューンアップに充てることができます。

二輪免許が必要

126㏄以上のバイクは、普通自動二輪車免許が必要となります。
普通自動二輪車免許は、バイク界では中型免許と呼ばれます。
免許の取得に最短でも2週間程度の時間がかかってしまいます。

保険料が高くなる

ポケバイ特約が使えないため、保険料が高くなってしまいます。

250ccのまとめ

「日帰りから宿泊を伴うようなロングツーリングにも対応 高回転域まで回せる丁度いいバイク。」

400cc

中型免許で乗れる最も排気量の大きいクラスとなります。
車検がありますが、250ccと比べてパワーがあるため走行性能を求める方に適しています。

中型免許で乗れるバイクで一番のパワー

中型免許で乗れるバイクとしては最も排気量が大きいため、その分パワーがあります。
加速や最大速が250ccクラスよりも良いため、気持ちよくバイクに乗れます。

車検がある

251cc以上のバイクは、自動車と同じように2年に1度の車検が必要となります。
車検費用がかかり、1週間程度バイクを預ける必要も出てきてしまいます

400ccのまとめ

「中型免許しか持っていないけどパワーのあるバイクに乗りたい方へ」

650~750cc

ミドルクラスバイクと呼ばれているバイクです。
650ccは「ロクハン」、750ccは「ナナハン」とも呼ばれます。
大型免許が必要ですが、さほど大きくなく扱いやすい車体と、余裕のある排気量で最近人気のバイクです。

余裕がある力強さ

大型バイクに分類される事もあり、パワーがあります。
山道でも速度が出なかったり車に簡単に追い越されたりする事は無いでしょう。
高速道路でも余裕があり、振動も少なくなるため楽に運転できます。
バイクでロングツーリングに行きたい方や、サーキット等の速さを求める環境で積極的に攻めたい方に向いているバイクです。

近年流行で車体が多い

近年人気が出てきているクラスであり、新しい車種がどんどん増えてきています。
選択肢が増えてきているため、貴方の好きなバイクもきっと見つかるでしょう。

大型免許が必要

401cc以上のバイクに乗るには、大型自動二輪免許が必要です。
大型自動二輪免許は大型免許とも呼ばれます。
バイク免許が無い場合は最短でも30日程度、中型免許取得済みでも15日程度の日数がかかります。
大型免許が無い場合は、免許取得への壁が高くなってしまいます。

650~750ccまとめ

「近年流行のミドルクラスバイク。大型免許を持っていれば有力な候補」

1000cc以上

「リッターバイク」と呼ばれます。1000cc、つまり1Lなので、「リッター」バイクです。

圧倒的なパワー

圧倒的なパワーを持っています。
バイクによっては300km/h以上の速度を出せるものも。
走りの面で不便さを感じる事は全く無く、最高の相棒となってくれるはずです。

バイクが大きく、重い

このクラスでは車体も非常に大きく・重くなってくるため、非力な方では動かすのがやっとでしょう。
バイクを倒してしまった時に起こせない可能性もあります。
運転も重く扱いが難しいため、慣れるまでは苦労するでしょう。

1000cc以上のまとめ

「圧倒的な加速と最高速。操るのは難しいが、ずっと頼れる相棒になるバイクの最高峰」 

まとめ

バイクは排気量が大きくなると「大きく」「重く」「速く」「力強く」なります。
自分の体力や趣向に合わせて最適な排気量を選びましょう。
大きく重いバイクはバイクを押して動かす時に疲れるだけでなく、バランスを崩して転倒させてしまう可能性も大きくなります。
また、運転時にも俊敏な操作がしにくくなります。

初心者の方は、最初からリッターバイクなどを選ばず、あまり大きくない排気量を選択する事をお勧めします。

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ABu
BIME MAGAZINE編集者。経験に裏付けられた確かな知識を分かりやすく伝える事を心がけている。