近年大人気のフルカウルバイク。
カワサキのNinjaシリーズの大ヒットから始まり、現在でもバイクメーカー各社がこぞって力を入れています。
フルカウルのバイクは世界的バイクレースからそのまま飛び出したかのような見た目であるため、スーパースポーツやレーサーレプリカとも呼ばれています。
400cc以下の中型バイクは、中型免許で乗れる最大の排気量であることで人気です。
フルカウル・スーパースポーツの見た目と400ccの馬力は、余裕の加速と満足感をあなたに与えてくれます。
今回は、バイクメーカー各社が現行で販売している400ccクラスのフルカウル・スーパースポーツに絞って、それぞれを紹介・比較していきます。
今回紹介・比較していくバイクは次の通り。
- ホンダ CBR400R
- ヤマハ YZF-R3
- カワサキ Ninja400
- KTM RC390
さて、結論を言ってしまうと次の通り。
- ロングツーリング向きのCBR400R
- コストパフォーマンスに優れたYZF-R3
- 中型免許最速のNinja400
- 他とは一味違うRC390
それでは、なぜそのように言えるのかを探っていきます。
最初にそれぞれのバイクについて紹介します。
比べるバイクを紹介
今回取り上げた4台について、どんなバイクなのかを簡単に説明していきます。
ホンダ CBR400R
参照:HONDAホームページ
ホンダのフルカウル・スーパースポーツCBRシリーズ。
その400cc版が、このCBR400Rです。
エンジン音はこちら。
誰にでも扱いやすいこと、それでも速さを忘れないような乗り味は、さすがホンダの底力を感じます。
ヤマハ YZF-R3
参照:YAMAHAホームページ
ヤマハのフルカウル・スーパースポーツシリーズであるYZF。
今回取り上げるのは、YZF-R3です。
エンジン音はこちら。
最大の特徴は、排気量が320ccであること。
一見すると中途半端な数字です。
しかし、その数値は適当に決めたのではありません。
排気量が大きくなり過ぎることでバイクが大きく・重くなることを避けるため、中型免許ギリギリの400ccではなく、あえて320ccとしています。
2019年のモデルチェンジにより、バイクレースの最高峰で使われているレースマシンであるYZF-M1をイメージした車体となりました。
カワサキ Ninja400
参照:KAWASAKIホームページ
カワサキが誇る大人気フルカウル・スーパースポーツシリーズのNinja。
その400ccモデルが、このNinja400です。
2018年のフルモデルチェンジにより、Ninja250とサイズ・重量はほとんど変わらずにパワーアップ。
さらにはカワサキが誇るスーパーバイクであるNinja H2のデザインを取り入れ、見た目も非常にgood。
エンジン音はこちら。
以前にも増して、さらに人気車種となっています。
KTM RC390
参照:KTMホームページ
オーストリアのバイクメーカー、KTMの中型フルカウル・スーパースポーツタイプがRC390です。
エンジン音はこちら。
オフロードバイクを得意としていたKTMらしく、エンジンは単気筒。
他のフルカウル・スーパースポーツとはひと味違います。
また、外車を中型免許で乗れることもポイント。
大型免許を持っていなくても、ヨーロッパのバイクを楽しむことができます。
それでは、この4台を比較していきましょう。
性能比較
バイクに限らず、買い物で重要となってくるのが性能。
エンジン性能と車体性能別にまとめてみました。
エンジン比較
エンジンの各種情報をまとめてみました。
車名 | CBR400R | YZF-R3 | Ninja400 | RC390 |
エンジン | 水冷 4ストローク DOHC 4バルブ |
水冷 4ストローク DOHC 4バルブ |
水冷 4ストローク DOHC 4バルブ |
水冷 4ストローク DOHC 4バルブ |
気筒配列 | 直列2気筒 | 直列2気筒 | 並列2気筒 | 単気筒 |
総排気量 | 399cm3 | 320cm3 | 398cm3 | 373.2cm3 |
WMTCモード 燃費 |
28km/L | 28km/L | 25km/L | ? |
内径 ×行程 |
67.0mm ×56.6mm |
68.0mm ×44.1mm |
70.0mm ×51.8mm |
890mm ×60.0mm |
圧縮比 | 11 | 11.2 | 11.5 | 12.5 |
変速数 | 6 | 6 | 6 | 6 |
最高出力 | 34kW[46PS] /9,000rpm |
31kW[42PS] /10,750rpm |
35kW[48PS] /10,000rpm |
32kW[44PS] /9500rpm |
最大トルク | 38N・m /7,500rpm |
29N・m /9,000rpm |
38N・m /8,000rpm |
35N・m /7,250rpm |
パワーウェイト レシオ |
4.17kg/PS | 4.05kg/PS | 3.48kg/PS | 3.34kg/PS |
※それぞれの数値は、 CBR400R、YZF-R3、Ninja400、RC390メーカーページ
およびBikeBros RC390ページより引用。
燃費がいいのはCBR400R
ここでは、公道での実際の燃費に近いWMTCモードでの燃費を記載しています。
燃費は、CBR4000RとYZF-R3が共に28km/Lで最も良い値です。
RC390の圧倒的なパワーウェイトレシオ
パワーウェイトレシオは、加速がどのくらい優れているかを表す数値。
これが小さいほど、加速が良いことを表しています。
この中で目を引くのは、RC390のパワーウェイトレシオ。
その数字は3.34です。
3.34というと、今まで発売されてきた400ccクラスのバイク全てを含めてもかなりの上位になる数字です。
加速を求めるのであればRC390一択でしょう。
2気筒ではNinja400が良いかも
2気筒に絞ってみると、Ninja400のパワーウェイトレシオがズバ抜けて良い値です。
Ninja250とほとんど同じ重さで、排気量は400ccという点が効いています。
最高出力・最大トルクもNinja400がトップ。
現行の400ccクラスでは、Ninja400が最速と言っていいでしょう。
変速数は‥‥
変速数は全車種で6速。
スーパースポーツでは6速がスタンダードですね。
車体比較
車体サイズなどの情報をまとめました。
車名 | CBR400R | YZF-R3 | Ninja400 | RC390 |
全長 | 2,080mm | 2,090mm | 1,990mm | 1,995mm |
全幅 | 755mm | 730mm | 710mm | 705mm |
全高 | 1,145mm | 1,140mm | 1,120mm | 1,099mm |
軸距 | 1,410mm | 1,380mm | 1,370mm | 1,340mm |
最低地上高 | 130mm | 160mm | 140mm | 179mm |
シート高 | 785mm | 780mm | 785mm | 820mm |
車両重量 | 192kg | 170kg | 167kg | 147kg |
キャスター角 | 25°30′ | 25°00′ | 24°42′ | 23°30′ |
トレール量 | 102mm | 95mm | 92mm | 88mm |
燃料タンク | 17L | 14L | 14L | 10L |
※それぞれの数値は、 CBR400R、YZF-R3、Ninja400、RC390メーカーページ
およびBikeBros RC390ページより引用。
サイズが大きめのCBR400R
CBR400Rがやや大きめのサイズになっています。
大型バイクと一緒にツーリングしても見劣りすることはあまりないでしょう。
高身長向けのRC390
RC390はシート高がやや高めになっています。
もしかしたら、足がつきにくい方もいるかもしれません。
かなり軽いRC390
RC390が圧倒的に軽いです。
250ccのバイクかと疑ってしまうほど。
Ninja400もモデルチェンジで圧倒的に軽くなりましたが、それでもRC390にはかないません。
この重さであれば、誰にでも扱えそうです。
タンク容量は‥‥
CBR400Rは燃料タンクの容量が大きめ。
ロングツーリングでも安心です。
RC390は、WMTCモードの燃費がHPに記載されていません。
燃料タンク容量も小さめなので、少々気になるところです。
キャスター角・トレール量って?
キャスター角・トレール量が最も大きいのは、CBR400R。
燃料タンクも大きく、燃費も良いので、現代のツアラーとも言えるでしょう。
逆にキャスター角とトレール量が一番小さいのはRC390です。
単気筒なので、入り組んだ山道などを走るのであればRC390が向いています。
外観比較
見た目の比較をしていきます。
ボディ比較
バイクの見た目を比較していきます。
CBR400R
参照:HONDAホームページ
YZF-R3
参照:YAMAHAホームページ
Ninja400
参照:KAWASAKIホームページ
RC390
参照:KTMホームページ
各社それぞれ個性を感じます。
特にRC390は、オレンジのフレームが印象的です。
メーターまわり比較
CBR400R
参照:HONDAホームページ
YZF-R3
参照:YAMAHAホームページ
Ninja400
参照:KAWASAKIホームページ
RC390
参照:KTMホームページ
流石は2019年のスーパースポーツタイプ。
全車が液晶ディスプレイを取り入れています。
特にホンダ・ヤマハ・KTMはフル液晶ディスプレイ。
カワサキのみ、タコメーターが針で示すアナログ式です。
しかしカワサキのような針のメーターも悪くありません。
針メーターは、針の位置でだいたいのエンジン回転数が分かります。
そのため、サーキットなどで一瞬の判断が必要な場面では、直感的にエンジン回転数が分かる針のタコメーターを好む人も。
ここはそれぞれの好みが出るところでしょうか。
価格比較
価格を比較していきます。
それぞれの価格は以下の通り。
車名 | CBR400R | YZF-R3 | Ninja400 | RC390 |
価格(税込) | 793,800円 | 642,600円 | 716,040円 | ? |
おおよその 実売価格 |
750,000〜 850,000円 |
580,000〜 680,000円 |
680,000〜 780,000円 |
700,000〜 800,000円 |
※それぞれの数値は、 CBR400R、YZF-R3、Ninja400メーカーページおよびグーバイクより引用。
コスパの良いYZF-R3
排気量がやや小さいためか、YZF-R3が最も手頃な価格です。
エンジン性能や車体サイズはそこまで差がある訳でもないので、値段を第一に考える方なら非常に良い選択肢になるのではないでしょうか。
CBR400Rは値段が高めだけど‥‥?
この中ではCBR400Rが最も高額です。
しかし、250ccクラスであるCBR250RRのABSバージョンの価格は、税込みで80万円超え。
そう考えると、70万円台でも購入でき、排気量が大きいCBR400Rもお手頃ではないでしょうか。
意外と良心的なRC390
RC390は外車ですが、価格は大健闘。
他の400ccクラスの国産車の実売価格と比較しても、それほど高くありません。
まとめ
CBR400Rはツアラー向きの傾向。
ロングツーリングを考えているなら、壊れないことで有名なホンダブランドでもありますしCBR400Rがオススメです。
YZF-R3は排気量が小さいですが、安さが際立ちます。
それでいて、性能は他の400ccクラスに負けていません。
特別大きな排気量は不要な方、コストパフォーマンスを求める方にはYZF-R3が最適でしょう。
Ninja400は、走行性能はピカイチ。
400ccクラスの2気筒では圧倒的な軽さが魅力です。
おそらく加速・最高速を合わせた走行性能は400cc現行で最速と言えます。
とにかく速さを求める方なら、Ninja400です。
RC390は、他の3台と比べると傾向が違います。
どちらかというと、直線よりは曲がりくねった道や山道を得意としている印象。
そこまで遠出しない方には良いのではないでしょうか。
また、外車であり他の車種と比較すると見ることが少ないバイクであるため、他人と被るのが嫌な方にもオススメできます。
スズキは、2019年現在で新車で手に入る400ccクラスのスーパースポーツタイプはありません。
スズキ以外にも全体的に400ccクラスは縮小傾向であり、寂しいところです。
大型免許の制限が無く、排気量も車体重量も扱いやすいのが400ccクラスの利点です。
近年縮小気味の400ccクラス。
今後さらなるラインナップの拡充を願うばかりです。