多くのバイクライダーが一度は経験したであろうトラブルの「バッテリー上がり」。
バイクや車のエンジンがかからなくなる、代表的なトラブルの1つです。
バッテリー上がりは突然起きるものですが、対策や予防をすることができます。
今回は、冬や春先などの今時期に多いトラブル「バッテリー上がり」とは何か、その対策方法を紹介します。
今回の記事は、このような方におすすめです。
バイクを動かそうとしたが、エンジンがかからない方
バッテリー上がりとは
バッテリー上がりとは
「バイクのバッテリーが空になり、バイクのエンジンをかけられなくなったこと」
を言います。
ほとんどのバイクや車はバッテリーを搭載していて、エンジンを動かす時にバッテリーの電気を使います。
バイクに乗っている時は、エンジンを動かしながらバッテリーを充電しているので、大きな問題にはなりません。
しかし長い間バイクを動かさないでいると、バッテリーが少しずつ減っていきます。
(これを「放電」といいます)
バッテリーが無くなった状態でエンジンをかけようとすると、エンジンを動かす電気が足りず、エンジンをかけらなくなります。
これが「バッテリーが上がった」状態です。
バッテリーが上がった状態でエンジンをかけようとしても「ガガガガ‥‥」と音がするだけでエンジンはかかりません。
バッテリー上がりはそのままにしたら直る?
バッテリー上がりは、そのまま放置しても直りません。
バッテリーが上がった状態でエンジンをかけようとしても、むしろどんどんバッテリーにダメージを与えていくだけです。
バッテリーが上がってしまったら、すぐに対策が必要です。
なぜ冬や春先はバッテリー上がりが多い?
バッテリー上がりは「冬や春に起きやすい」と言われています。
その理由は2つ。
寒い時期はバッテリーが弱りやすい
寒い場所や時期はバッテリーが弱っています。
スキーやスノーボードをやっている方は「スキー場ではスマホの電池が無くなりやすい」という経験はありませんか?
これと同じことがバイクのバッテリーでも起きています。
「寒いとバッテリーは弱る」ということを覚えておきましょう。
久しぶりにバイクを動かす人が多い
長期間バッテリーを放置していると、少しずつバッテリー残量が減っていきます。
寒かったり雪が降ったりしてバイクに乗らなかったライダーが、春先に
「冬はバイクに乗らなかったけど、少し暖かくなってきたからバイクに乗ってみよう」
とエンジンをかけようとするも、エンジンがかからず‥‥
バイクに乗るライダーが増えるので、バッテリー上がりの件数も多くなります。
バッテリーが上がりやすいバイクとは
理論上は、どんなバイクでもバッテリー上がりが起きる可能性はあります。
しかし、バッテリー上がりが起きやすいバイクがあるのも事実。
これらのようなバイクは、他のバイクと比べてバッテリー上がりが起きやすいので注意が必要です。
オフロードバイク
スーパースポーツバイク
これらのバイクは、軽さや走行性能を優先しています。
そのため、軽く小さい・最低限の大きさのバッテリーが使われている場合が多いのです。
この投稿をInstagramで見る
バッテリーの容量も小さくなるため、バッテリー上がりが起きやすくなります。
バッテリーが上がったら?
バッテリーが上がってしまったら、そのままではエンジンを掛けられません。
ここでは、バッテリーが上がった状態からエンジンをかける方法を紹介します。
ジャンプスタート
すぐバイクに乗りたい時は「ジャンプスタート」でエンジンをかけます。
ジャンプスタートとは、他のバッテリーの力を借りてエンジンをかける方法。
とりあえずエンジンをかけられるので、ツーリング先のバッテリー上がり時などで便利です。
他の車やバイクのバッテリーを使ってジャンプスタートする方法が有名ですが、最近ではジャンプスタートできるモバイルバッテリーも登場しています。
スマホ用のモバイルバッテリーと兼用できるので、1つ持っておくと安心です。
バッテリー充電
すぐにバイクを動かさなくてもいい時は、バイクからバッテリーを外してバッテリーを充電しましょう。
上がってしまったバッテリーはほぼ空なので、充電するのが一番です。
バイク用のバッテリー充電器はAmazonなどでも売っています。
自動車にも使えるものが多いので、1つ持っておくと安心です。
押しがけ
キャブレター車では「押しがけ」という技を使ってエンジンをかけることもできます。
押しがけは道具なしでもできるので、緊急時に便利です。
その手順はこの通り。
- エンジンを切る。
- キーをONに入れる。(エンジンはかけません)
- 変速を1速or2速に入れる。
- クラッチを握り、バイクを押しながら走り出す。
- 勢いがついたらバイクに飛び乗り、同時にクラッチを離す。
- エンジンがかかる。
バイクを押してエンジンをかけるので「押しがけ」と言います。
手順は簡単ですが、走る勢いやクラッチを離すタイミングがシビアでコツが必要です。
特に大型バイクになると、熟練者でも一発でエンジンをかけるのは至難の業。
慣れていない方や不安な方は、広い安全な場所で練習しておくことをおすすめします。
バッテリー上がりを予防するには
バッテリー上がりは予防できます。
バッテリー上がりを予防する方法を紹介します。
1ヶ月に1回はバイクに乗る
バイクに乗るとバッテリーを充電できます。
1〜2ヶ月に1回はバイクに乗っておくと、バッテリー上がりを予防することができます。
定期的にバッテリーを交換する
スマホのバッテリーと同じように、バイクのバッテリーも寿命があり、少しずつ弱ってきます。
バイクのバッテリーの寿命は2〜3年、長くても4年ほど。
気温変化が大きい地域に住んでいたり、品質が悪いバッテリーだと1年程度で寿命を迎えることもあります。
バッテリーの寿命の時期が近づいてきたら、バッテリーを新品に交換しましょう。
寿命が近いバッテリーを使い続けると、ツーリング先でバッテリーが上がってしまってエンジンがかからなくなることも。
寿命が来る前に、たとえバッテリー上がりが起こっていなくても、定期的にバッテリー交換をしておくのが安全です。
バッテリーの寿命を見分けるポイント
バッテリーの状態を見極めるのは困難です。
特に、目で見るだけ(目視)でバッテリーの寿命を判断するのはほぼ不可能。
使っている期間で判断するのが一番簡単です。
バッテリーの配線を外しておく
雪国に住んでいるなど、長期間バイクに乗れないような場合にはバッテリーの配線を外しておくこともおすすめです。
配線を外しておくと放電を防げるので、バッテリー上がりを防ぐことができます。
まとめ
今回のまとめはこの通り。
バッテリー上がりとは、バイクのバッテリーが空になってエンジンがかからなくなること。
冬はバッテリー上がりが起きやすい。
バッテリーが上がったら、ジャンプスタートかバッテリー充電。
定期的にバイクのエンジンをかけることで、バッテリー上がりを予防できる。
バッテリー上がりは予防できるトラブル。
バイクに乗ったり、バッテリーを定期的に交換することでバッテリー上がりを防ぐことができます。
特にバイクに乗ることは、他の故障も予防できる一番簡単なメンテナンスと言えます。
これから暖かくなっていく季節。
たくさんバイクに乗って楽しみましょう!